音楽Base Ball BearCDレビュー

【レビュー】Base Ball Bearのおすすめアルバム「DIARY KEY」の魅力

「プロモーション」

何歳になっても聴いていたい、青いの音

「Base Ball Bear」(以降、ベボベ)といえば、「青春」を感じるのは私だけでしょうか。
何歳になっても、このバンドの奏でる音はキラキラしているし、懐かしさを感じる時もあれば、共感することもできる。

そんなこのバンドも早くも結成20年を迎えており、いつも変わらない土台の上にその時代に合わせた表現を行いどんどんパワーアップしている印象だ。

そんなベボベの最新アルバム「DIARY KEY」は個人的にも完成度の高いものとなっており、今回はその魅力を収録曲から語っていきます!

「プロモーション」

ハズレなし、特に魅力を感じる3曲

今作はこれまでのベボベらしさも含めて、どの曲にも新しい発見があってとても面白い。
全体的に一皮向けた楽曲のアイデアと音の質、そして作詞。
個人的には音のバランスを気にして聴くことが多いのだが、各楽器の聴こえる音の絶妙なポジションが的確であるところ、出るところは出る、後ろで支えるときは支えるがハッキリとしていた印象だ。
時に主役の音が変わっていくのが秀逸だなと思う。

特に感じたのは表題曲であるこの曲だ。

「DIARY KEY」

アルバム表題曲であるからこそ、1曲目から飛ばしているなと思う。
ライブだとしたら、これから始まるワクワク感と、待ってましたと思えるベボベのらしさ。
また先ほど言ったギター、ベース、ドラム、そしてボーカルの絶妙なバランス。
技術面は相変わらずの巧さではあるし、長年やっているからこそのグルーヴも健在。

特にイントロのベースとドラム、この2つだけなのに物足りなさはなく、むしろ徐々に盛り上がりを見せるところで、ギターが自然と入ってくるのが巧い。
ボーカルを主役と立てつつ、ギターソロでのスムーズな主役交代。
この、ベース+ドラム→ボーカル→ギターの流れが絶妙。

また歌詞にも面白さが際立つ。

音楽好きなら誰でも知っていると言っても過言ではない、ミスチルの「Tomorrow never knows」が入っている。
このアイデアとして、その前に「歌う自転車 通り過ぎる」とあるので、すれ違った状況をより想像しやすくしている。

こう言った歌詞のユーモアさと、的確な表現。
誰しもがイメージしやすくさせる発想が散りばめられている点もこの曲がアルバムの表題になるのは納得だ。

 

「プールサイダー」

アップテンポなロックナンバー、爽やかなのに切なさもあって、でも楽しい。
絶妙なバランスに仕上げられて聴くタイミングによって、感じることが変わる。

「プールサイダー」=「水際の見学者」
という意味で付けられた曲名。
プールといえば楽しいイメージがあるが、歌詞ではその中に入れないまたは入らない客観的な視点になっている。

夏の新しい視点に気づき、それを曲にする勇気というか。
普通なら夏といえば、賑やかで楽しくて、爽やかでというポップな曲ではなく、こういう視点もあるということに気付かせてくれる。
もっと言うとそれは全員ではなく、例えば怪我や病欠で休まざる負えない(ちなみに小出さんはカナヅチだったので見学していた)状況の人にしかわからない。
そんな見学者に向けた、メッセージソングである。

この曲を聴いて、ベボベはいつまで経っても新しいと言うか、ベボベらしい曲になっているなと思いました!

参考サイトはこちらから!

 

「SYUUU」

ベボベの定番、ファンには聴き馴染みのある4つ打ちの軽快な曲。
初期はこういう曲が多かったものの、最近ではジャンルに変化をつけていたが、やはりベボベといえばこの雰囲気だろう。

憶測ではあるが、曲名「SYUUU」は漢字に直すと「驟雨」=「にわか雨」と言う意味になる。
サビにある「降れ、降れ、涙を隠して ほら、すぐに晴れる」と言う描写からイメージがつく。

そしてここでも、グループの中心的な感じではなく、少し外れた目線での友情を描いている。
キラキラした青春も人それぞれであり、各シチュエーションにドラマがある。

その一片をベボベの青々とした音楽で、表現すると主人公感が増して、万人に共感してもらえる曲になる。
憧れとしての歌詞よりも、時代的に共感の方が魅力的な昨今の音楽事情にもしっかり対応しつつ、
古参ファンにとっても、新しい視点を見せてくれるベボベの魅力が詰まった曲だ。

「プロモーション」

まとめ

3曲を紹介させてもらいましたが、どれもがこれまでと少し違った目線での曲になっている。
そのどれもが共感してもらいやすく、またベボベらしい、青々とした爽やかさと切なさを感じさせられる。

どの曲も魅力的だが、もう1曲挙げるとしたら、やはりこの曲だろう。

コロナ禍で作成されたこの曲には、優しさが詰まっている。
全ての音楽ファンに込められた至高の1曲だなと、良い感じに肩の力が抜けて、また明日から頑張る背中を優しく支えてくれる。

これらの新しいベボベの魅力を存分に感じられる、最高のアルバムとなっているので、ぜひぜひ聴いてもらいたい。

ではまた〜

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