音楽CDレビューELLEGARDEN

16年待った!「ELLEGARDEN」のニューアルバム「The End of Yesterday」について語る。

「プロモーション」

ファン待望!16年待ち続けてついに発売されたニューアルバム!

ELLEGARDEN」が16年ぶりのニューアルバムを2022年12月に発売した。
その日はSNS上でアルバムを心待ちにしたいわゆるロッキン勢が狂喜乱舞していた。
その中にはお店に買いに行くところから受け取るところまで、熱い想いを語っている人も多く見られ、もちろん私もその人達の中のひとり。

「16年…」言葉にすると短いがとてつもなく長く、その間に多くのことが変わった。しかし、復活を約束したELLEGARDENを待つ気持ちは変わらなかった。新しいアルバムをPCにセットし、再生ボタンを押す手は心の機微を表すように震えた。
ヘッドホンから流れてくる一音一音を噛み締めながら、多くの方の感想をSNSで見たり、ELLEGARDENのインタビューも記事を読み、特集映像を観たり、ラジオでの話を聴くことでこのアルバムがどんどん自分に馴染んでいくことができた。
そのインタビューの中で、ボーカル細美武士は言った。

「これが生涯最後のアルバムのつもりで作った」

その言葉を聴いてこのアルバムの魅力をなんとか言語化して伝えたい気持ちが高くなった。一人のアーティストがその生涯をかけて作った作品がどんなものなのかを。
稚拙な文章ではありますが、興味を持った方、同じ気持ちの方にとって良い記事になりますように。

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「物足りない?」自信でも意外な感想が出てしまったこと

まず正直に言いたいのは、アルバムを聴き終わった最初の感想はあまり感動をしなかったこと。

syun

「ELLEGARDEN」ってこんなものだったのか!?

そう思った自分がいた。自分の耳を疑ったし、なぜこんな感想が出てきたのか自分でも驚いた。
何度も聴いているうちに、ふとこんなことを思った。
「もしかしたら自分はELLEGARDENに対して、過度な期待をしてしまったのでは…」

それもそのはずだ。当時の彼らの爆発力、誰にも追いつけない圧倒的な勢い。
はっきりと言える、異常なほどに影響力のあるバンドであったし、それは過去のライブ映像を見れば一目瞭然である。

当時を知っている人間としては、彼らの音楽は一度聴けばもう止まらない。
どんどん音楽に依存していくような感覚、何度も何度も聴いて、何度も何度も歌った。
気がつけば、これ以上の音楽はないんじゃないかと思うような気もしていた。

それが16年の月日が空くわけで、思い出補正が日を増すごとに強くなっていく。
新しいアルバムとなれば、当時、最高のワインを更に16年間熟成された。
それこそ全バンドが勝てないと思わせるアルバムができてしまうのではないかと思っている。
これは決して大げさなことではない、少なくとも自分の中ではそうだ。

そんな過度な期待がこんな感想にしてしまったのではと思った。

その気持ちに気付いたとしても、なかなか抜け出せるわけではない。
そこで私が行ったのは、ELLEGARDENのインタビューなどとにかく彼らがメディアに出ているものは片っ端から見てみることにした。

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一生で一度の旅と言えるロスでの制作期間で生まれた音楽

具体的にはいろいろなメディアで出ているので、ぜひ彼らのインタビューを観てほしい。
ここでは各メディアを見て、感想だけを述べることにします。(一部、ネタバレはお許しください)

まず彼らも16年ぶりに新しいアルバムを作るということで、相当の気合が入っていたことがわかった。
本人たちも自ら公言していたが、やはり活動休止直前には無敵感があり、あれを超えるとなると相当難しいこともわかった上での挑戦だったようだ。

ボーカルである細美はこの作品を作るに当たり、ELLEGARDEN活動初期の気持ちを思い出すためにも単身ロサンゼルスに行った。(その模様はブログでその様子も見ることができます!)
新しい曲を作るには、当時の心境も含めて確認する必要があったのだと思う。
久しぶりに実家に帰って、物置にある自分の物を片っ端しからひっくり返して見直すみたいな感じだったのかな。
その行動に私は少し嬉しかった、活動休止期間中は一切ELLEGARDENのことを話すことはなかったし、なんだか無かったことにしたかったのかなと思うこともあった。
だが、それは違った。過去もひっくるめて制作に臨んでいる。
再開となると、まるでこれまでのことはなかったかのようにしてしまうバンドもある中で、過去から今まで継続していたことがわかった。

そして紆余曲折、時には頭を悩ませながら3ヶ月で120曲を作り、メンバーに聴いてもらったという。
その中で11曲に絞られたが、中でも先行で配信されたこの曲は重要なポジションになったのではと思った。

「Mountain Top」

新しいアルバムを制作する中で、どの曲も宝物と書いてあった。
その中でもこの曲が最初に作られたこともあり、この曲が間違いなくこのアルバムの方向性、土台を決める上でとても重要だったんじゃないか。この曲があったから、アルバムができたと思っている。

しかし、これが彼らにとって決意表明の曲であったからこそ、これまでと違うのかなと思った原因の一つではあった。
それを安心させるように、2つ目の曲が先行配信された。

「Strawberry Margarita」

疾走感のあるロックナンバー、これまでのELLEGARDENを思い出させる1曲。

syun

あ、これはELLEGARDENだ…!

聴いた瞬間、どこか安心した。全く変わったわけではないんだなと。
インタビューでも安心させたんじゃないかなと書いてあったので、「安心しました」と心のなかで深く頷きました。

また制作は基本的に4人でやっていた。インタビューではELLEGARDEN初期のミニアルバム「Stupid」の制作に近かったとか。またロサンゼルスでの制作ということで、彼らの良き理解者の一人であり、細美武士とは「MONOEYES」で共に活動しているスコット・マーフィーも帯同していた。
制作の雰囲気もラジオで話されていた、長年の付き合い、仕事仲間というよりは家族のような関係である彼らは楽しく過ごしていたようだ。本当に楽しく制作をしていたことがわかり、自分自身はなんの関係もないのにそれだけでもなんか嬉しかった。とにかく一生に一度の熱量を込めた制作の旅をメンバーと楽しく過ごしていたことが嬉しい。

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個人的にこのアルバムでおすすめしたい2曲

120曲のうち、厳選された11曲の中でこれまでのELLEGARDENにはないチャレンジした曲もあれば「Strawberry Margarita」のようにELLEGARDENらしいロックナンバーもあった。

個人的にはライブで聴きたいおすすめの曲が2つある。

①「Perfect Summer」

歌詞に注目してもらいたい、細美武士のライター能力の高さを感じた。
現実的なシチュエーションと登場人物の想いが感傷的にさせる、和訳サイトがあるのでぜひそちらも検索してみてもらいたいが、まるで映画のワンシーンのように情景を想像させながら曲の持つ情景に吸い込まれていく感覚になる。
また楽曲の感じからこれまでのELLEGARDENにはない曲調ではあるが、16年間で各々が築いてきたものがこの曲に詰まっているんじゃないかと。
ちなみにこの曲はピアノで作ったが細美武士曰く、ピアノは全く弾けないとのことw

②「Goodbye Los Angeles」

表題の通り、制作を行っていたロサンゼルスで過ごした日々の想いがすべて詰まっている。
楽しい日々も苦悩した日々も全部ひっくるめて最高だった。このアルバムの最後を締めるに相応しい曲である。
どこか寂しい気持ちも残しつつ、やりきったぜーと言える気持ちが音から感じられた。

「また昨日の終わりに帰るまで」(Till come back to the end of yesterday)

この歌詞が特にお気に入り。毎日の何でもない日々かもしれないが明日に残る何かが残っているような、過去のものもすべて巻き込んで新しいものが生まれた。
まさにこれまでのELLEGARDENを物語る言葉だ。

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まとめ

各メディアや本人たちが出演しているサブスクやラジオを聴いて、本当に奇跡のようなバンドだなと思った。
本人たち曰く、才能があるわけでもない音楽がただ好きな奴らが集まってできた最高のアルバムであり、どう思うかは聴いてくれた人たちの自由とのこと。

この記事を書くときに、長年のファンだからとか、みんなが賛辞しているからと大衆に流されるような文章は書きたくなかった。手放しに音楽を聴くことは思考停止しているような感じがするし、心から好きと言えない気がしていたからだ。なので、受け取り方は自由と言われて、少しホッとした。

だが、この記事が本人たちに読まれることはないと思うが、

syun

何から何まで最高のアルバムでした!!!

と伝えたい。
これからは過去作はもちろんのこと、過去アルバムを聴きながらも新たに追加された今作のアルバムも含めて、ELLEGARDENというバンドの音楽を楽しみたいと思います!

ツアーもやるとのことでしたが、当たるかな…当たりますように!!!

 

■過去記事はこちら。
https://ensemble-note.life/cdreviewno77/

■参考
ELLEGARDEN : Lost & Found
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※タイムフリー期間のみ

ではまた〜

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