音楽CDレビュー藤井風

藤井風 2ndアルバム「LOVE ALL SERVE ALL」は期待を超えたのか

「プロモーション」

日本一期待されているアーティスト

各メディアで何かと注目を浴びている「藤井風

テレビを付ければCMでの起用もそうだし、卒業シーズンには昨年同様に「旅路」が流れるなど
音楽業界の各著名人からも高い評価を得ている彼の音楽は老若男女人気の印象だ。

前になにかの記事で見たが、50代、60代からも支持されているようだ、最近の若手アーティストの中ではとても珍しい。
それも彼の歯に着せない姿や愛嬌があってこそだとも思う。

男性なら嫉妬したくなるほど魅力的な人間だなと改めて実感する。

そんな「藤井風」待望の2ndアルバムが発売されたわけだが、果たして彼はこの2ndアルバムで多くのファンの期待を超えることはできたのか。
正直、音楽業界の人にまで支持されていたら、聴かずと良いと誰でも思ってしまうのではないか。

今回はあえて批判的な目で見ることで新しい発見があると信じて、レビューしていきます。
叩かれませんように…

書く前に一つだけ、私も「藤井風」大好きです!とだけ言っておきます!


「プロモーション」

否定的に聴いてみた、今作のアルバム2曲

今回のアルバムを聴くにあたって個人的にも一つ気になっていたのは、今後の方向性はどうなっているのかということ。

そう思ったのは、発売前に公開されたこの曲を聴いたからこそだと思う。

「まつり」

日本のカルチャーを前面に出した曲。
個人的には好き嫌いは賛否両論ある分野かなと思う、J-POPに落とし込むのも難しい。
和楽器の落ち着きあるイントロはほとんどの日本人にとっては好印象であるだろう。
ましてや曲名も堂々と「まつり」と銘打っているので、なんとなくハードル上がっているのでは?と。

最初の印象、これは毎回「藤井風」の新曲を聴くたびに思うのだが、サラッと聴けてしまうこと。
特徴が無いというわけでもないが、おや?と思うちょっとした違和感がどこかしらにある。

この曲でいうとサビにかけて大々的に盛り上がっていくというよりは厳かに抑揚をつけているところ。
玄人好みの曲かなと思う、これまでよりも距離感を感じた。
わからないと思うから、もう一度聴いてみる。
それを2度、3度聴いていくと、気づけば理由もわからず沼にハマっていく。
何度も聴いているうちにジワリジワリと内側から燃えてくる感覚がでてくる。
また何かとせっかちな毎日の中でゆったりとした時間を過ごすことができる。

ご本人としても第二のデビュー曲、自身の葬式に誰か流してくれというくらい気に入っているようだ。
今作のアルバムの中でも一番最後に作られた曲とのことで、現在の藤井風の集大成としては間違いない1曲。

 

また日産スタジアムのライブでこの曲を聴いたときも気になった。

「燃えよ」

2021年夏頃の日産スタジアムでのライブでのメイン曲として、その後、Googleスマホ「Pixel」のCMでも起用された曲。

個人的には曲名の通り、藤井風の曲の中で特に熱が一番こもっている曲。

当初から出ている曲はどれも完成度が高い。
繊細で時に色気やユーモアを発揮し、技術的にも業界の耳が肥えた人たちも唸らせるほどの実力を持つ。
そんな人が熱意を込めた荒々しい曲を書くとどうなるのか。

技術的に拙いと、その分熱がこもって名曲になる。
その後、技術が身につくと徐々にその当時のような荒々しさや若々しさを出せなくなることが多い。

本人ももうこんな若々しくストレートな曲はかけないかもと言っている。
だからこそ大事にしたいと。

「いや、まだまだ若いから〜笑」と思ってしまうが、おそらく年齢的なものではなく、音楽歴としての若々しさ。
技術的に知らないこそ書けた曲なのかもしれない。

 

この2曲を聴いて、前作1stアルバムよりも挑戦的な印象だったし、あの完成度を求めていた自分にとっては予想外ではあった。
今後の方向性として、どこに向かっていくのかよくわからなくなったのが正直なところだ。

「プロモーション」

手のひらを全力で返してみる

と、あえて批判的な目線でも見てみたが、手のひらを返して。
藤井風の音楽の幅広さであったり、独自で新しいジャンルを切り開いている印象が強く、
だからこそ前作であったり、他のアーティストと比較しづらい。

でも、それが良い。

”藤井風”というジャンルを聴きたくなったら、藤井風しか聴けないのだ。

個人的には今作特に好きだったのは、

独特な曲名つながりで「やば。」
曲名からは想像がつかない。前作の「帰ろう」と似たような死生観が垣間見える歌詞のように感じた。
本人は天使な自分と悪魔な自分の痴話喧嘩と言っていたが、好きに解釈してくださいとのこと。
イントロはオシャレな曲である一方で、口癖を曲名にする、テーマ、狙いとして聴いた人の解釈に任せる。
色々な顔を見せられる曲で曲名通り、「やば。」

POPで入りからノリの良い「damn」
全体のグルーブ感が楽しすぎて、ライブで聴きながら踊り明かしたい。
ご本人はノスタルジックな青春ポップロックチューンをイメージしたとのことだが、藤井風との名コンビでおなじみの「Yaffle」により都会的なHIPHOPな感じに仕上げてくれたとのこと。
このコンビは組み合わさると、本当に良いツボをついてくれる。

メロディだけでなく、語感のいい歌詞も個人的にはツボです!


いつものゆるゆる配信で全曲自身で紹介しているので、こちらをみて藤井風の人柄も楽しんでほしい。

まとめ

2ndアルバムは2022年に早くも名盤として、決めて良いんじゃないか。
そう思わせるほどの完成度、まだまだ発展途上のようにも感じられる。
増々、今後の藤井風も楽しみになる一枚となっている。

まだ聴いてない方、たくさんいると思う。

とりあえず音楽業界の人もいいと言っているらしいし、聴いてみるか。くらいで全然良い。
どんな入り口であれ、もっとたくさんの人に藤井風の魅力が広まって欲しい。

 

最新ライブ映像はこちらから!ライブの藤井風も楽しい!

ではまた〜

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