音楽コラム星野源

“変態”から“国民的”なった「星野源」の魅力と変化について

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私と”星野源”の出会いを語る

私が星野源と出会ったのは、10代の後半くらい。
大学生という肩書きでこれからの人生をどうするか悩みながら、何度目かの自分探しの旅を終え、就寝前にTVを眺めていた。

深夜の再放送で「sakusaku」というTVK(テレビ神奈川)の番組を見ていた。

※「sakusaku」とは”木村カエラ”や”トミタ栞”などがアシスタントをしていた音楽番組で、MCのマスコットキャラと女性アシスタントが視聴者のメールを元に屋根の上でトークする、朗らかな番組のことである。

いつも通りの愉快なスタートを終え、中盤のゲストトークコーナーに当時ゲストにきていた根暗そうな男。

それが”星野源”だった。

なんとも冴えない様子、少なくとも今みたいに女性からキャーキャー言われる雰囲気はなかった。

トークも軽い下ネタや暗い女性経験などを話つつ、男性なら誰でも共感できそうな話題を淡々と話していた。
いわゆる、サブカルっぽさがあり、この人がいったいどんな歌を歌っているのかがとにかく気になって気になって仕方がなくなる自分がいることに気付く。

翌日、当時はお金もなかったのでレンタルで御用達のTSUTAYAに向かい、借りたのが1stアルバム「ばかのうた」

見る限り、売れなさそうなダサ目のCDジャケ。

「んー、これはハズレかもなー」なんて思いながら数百円を払い、帰宅。

早速、PCにCDを入れてヘッドホンをかける。
対した期待をせずに、初めから終わりまで一通り聴いた時、なんとも言えない充足感に満たされていた。

ネガティブそうで、心に染み渡る歌詞の深み

初めて聴いたその日から、私は”星野源”という男を好きになった。

憧れではない。
例えるならクラスに1人はいる愛されキャラの立ち位置、どこか愛おしく、長く愛していけそうな間隔。
そう思わせたのは今も好きなこの曲のせいかもしれない。

「くせのうた」

優しいピアノの伴奏に、そっと語りかけるような歌声。
そして、独特に語られる歌詞、特殊な愛情表現だなと思った。
好きな人のことを知りたいとなったら、全部知りたいと思うかもしれない、
しかし、それを”癖”が知りたいって思わない。

普通は好きなものとか、好きな食べ物とか、好きな音楽とか。
話の共通点になりそうなことではなく、星野源は癖を探している。

しかしどうだろうか、癖を知るということはその人のことを知ることに確かにつながっているのではないであろうか。
好きにも色々ある、それは憧れかもしれない。

星野源の歌う、愛の歌は癖を知ること。

何よりも知りたい君の癖=それだけ愛しているよ

これが星野源の魅力なのかなと思うと、これほどまでに胸に刺さる曲はない。

「知りたいと思うことは全部違うと知ることだ」

同じ人はいないからこそ、あなたを知りたい。
思えば、1stアルバムは何気ない日常を癖のある男から見た観点、

つまりはそんな「ばかのうた」なんだなと思った。

この日から大学の課題をやるとき、いつも傍に星野源の曲があった気がする。

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星野源を追い続けて、感じ始めた違和感

星野源が好きになり、彼が書いた本を読み漁ったり、出演している映画を観たり、「SAKEROCK」を聴いたり、様々な活動していることを知ってはとにかく片っ端から追いかけた。

私が思っていた星野源のイメージは「暗い」「オタクっぽい」「陰鬱」「日常」「斜め」
暗い雰囲気でもどこか優しさがありいつも寄り添ってくれているような印象だった。

それがよかった、思えばどこか似たような雰囲気を星野源の曲から感じていたのかもしれない。
励まされているような、素朴さが良かった。

「知らない」

この曲はちょうど失恋した時に聴いていた曲。
知らない景色をみるのが怖くて、なかなか立ち直れなかった思い出がある。

今聴いても、この時の気持ちを思い出す。
胸の奥がざわつくような感覚とフラッシュバックする記憶。
星野源はどんどん、私の中に入ってきてかき乱してくることも覚えた気がした笑

聴けば聴くほど、どんどんはまっていく”星野源”の沼。

 

しかし突如、私はこの沼を脱出してしまう、それはこの曲を聴いたときだった。

「SUN」

なんか、すげー明るいじゃん!、ん???どうした??女の子にめっちゃ囲まれているやん!

PVに暖色系が多くね?あれ?すげー踊ってる!!!あれ?

困惑しかなかった。

この頃から私の星野源のイメージが180度変わった。

※ちなみにこの曲は星野源の親友とも言える芸人、バナナマンの「日村」さんの誕生日ソングから生まれた。だから「SUN」なのかは知らないけど。

この日から、星野源の国民的アーティストとして、また俳優の道もどんどん広がり、世間にも知られることになり同時に私の心は彼から離れていくこととなった。

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ドラマやCMの出演、しかし音楽は嘘をつかない。

国民的に人気になったドラマ「逃げ恥」
もぉー、、私の知らない星野源になっていた。

元々ダンスが好きだったり役者も志望してたりしていたのは知っていた、けれども音楽から入った私にはずっと違和感でしかなかった。

それもそのはず、世の中的にはこちらが流行っていたから。

「恋」

そして瞬く間に人気になった「恋ダンス」なんかも話題に。

やはりテレビはすごい、一躍有名人にもなり、今まで誰一人も彼の存在を知らなかったのに。
口を開けば「星野源が…」「星野源って…」なんて話をしている。

しかし「恋」が先走りすぎて、私が聴いていた「ばかのうた」なんて周りで聴いている人は1人もいなかった。

違うんだよーー、本当はそういう人じゃないんだよー涙
と心の中でどれだけその言葉を叫んだことか。

この頃から気が付けば、アルバムもライブDVDもまったく買わなくなってしまった。

そして時は一気に数年流れることとなる…

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星野源ブームの再来と今

そんな私が今も星野源を好きに戻れたのは、この曲からだった。

「ドラえもん」

私はドラえもんの映画が好きで予告を見ていたら、星野源がまさか「ドラえもん」って曲を出すとは思わず、とてもびっくりした。

なんならこのとき、久しぶりにCDも買った。
(そしてCD付属の抽選ハガキで応募して「星野源」✖︎「ドラえもん」のコラボシャツを当てた笑)

そんなこともあり、久しぶりに出ているアルバムを聴いたら、とてもオシャレな曲が増えていた。
中でも特に印象的だったのはこの曲だろう。

「Snow Man」

これまでにないダークさとポップが融合した、まさにブラックミュージック。
そう言えば、マイケルジャクソンに憧れているって本に書いてあったことも思い出す。

確かこの曲はそんなに世間に浸透しなかったと思うが、個人的にはとても好きで何度も聴いていた。

そして、ついに究極のポップソングが生まれた。

「Pop Virus」

まさにポップオブポップ。ポップのウィルス感染、流行爆発!

あの「星野源」が、こんな名曲を生み出すとは思っていなかった。

そして極め付けは紅白でも歌った、この曲。

「Same Thing」

これらの曲を聴いたときに本当に彼がやりたいことはこれだったんだと思った。
紅白で、ピンクの服を着て、渋谷の高層ビルの屋上で楽しく歌う彼は
まさに”和製キング・オブ・ポップ”

歌詞もとても素敵で、まるで争いの絶えない国を包み込んでくれるようだった。
そして、行われていた海外ツアーも無事成功し、彼は一躍、世界的なアーティストになったのだ。

屋根の上から世界へ

気がつけば、ローカル番組の屋根の上から、世界に飛び立つビックアーティストになった「星野源」

あの日よりも遠くに行ってしまった彼を今後も応援していきたいと今は思っている。
彼の本当にすごいことは、やりたいことをどんどん叶えてしまうこと。

ダンスもする、演技もする、音楽も憧れていたマイケルジャクソンのようなスタイルを築いている。

1人の男として、尊敬できる。
これからもどんどん夢を叶えてほしいし、もっと活躍してほしい。

最後にここ最近で一番刺さったPVも観てほしい。

「Ain’t Nobody Know

まぁー、これはおそらく万人向けではない。
でも、一つ言えるのはめちゃくちゃカッコいいってこと。

そしてありがたいことにこの記事を読んでいる人はおそらく「星野源」を好きな同志だと思う。

これからも一緒に星野源を盛り上げていきましょう。

ではまた〜

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